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コラム

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部下が潰れそう!2つの原因と改善策を公開




こんにちは、ビジネスメンタルトレーナーの伊庭和高です。

 

これまで5000名以上のお客様の相談に乗って来ましたが、

「部下が潰れそうで困っている」という相談を受けることも多いです。

 

明らかにキャパオーバーだったり、

メンタルに不調を抱えていたりと、

潰れそうな部下を見るのはつらいです。

 

また仕事ぶりが優秀な部下であっても、

潰れるギリギリの場合も多いです。

 

もし本当に潰れてしまったら、

休職や退職にもつながる可能性があり、

組織においても大きな損失です。

 

今回は一般の見地とは異なる独自の視点で、

部下が潰れそうな原因や改善法を解説します。




なぜ部下が潰れそうなのか?

 

潰れそうな部下には共通点があります。

 

3つの共通点があるのですが、

どれか1つに当てはまることもあれば、

複数に該当することもあります。

 

周りの評価を気にしている

反論されたらどうしよう…
怒られたらどうしよう…
変な風に思われたらどうしよう…

 

この様に周りの目を気にしている部下は、

自分の気持ちを押さえ込む様になります。

 

言いたいことを言わなかったり、

無理に周りに合わせて振る舞う様になります。

 

気疲れを溜め込んだり、

仕事に時間をかけすぎたりと、

心がボロボロになりやすいのです。

 

そして限界を迎えた時に潰れてしまいます。

 

周囲に愚痴や不満を吐き出すのではなく、

一人で抱え込む傾向があるので、

最終的には自爆してしまうのです。

 

完璧主義

完璧にやらなきゃと思うほど、

自分を責めたり否定することが多くなります。

 

「まだダメだ」「もっとやらないと」と、

自分で自分を追い詰めてしまうので、

次第に潰れそうになってしまいます。

 

1つの仕事に時間をかけ過ぎてしまい、

自分で自分の首を絞めてしまうこともあります。

 

ですがどれだけ完璧を求めても、

100%完璧は無理です。

 

完璧にやったと思っても、

周囲から指摘を受けることも普通にあります。

 

仕事を断れない

明らかにキャパオーバーなのに、

仕事の依頼を断れない部下もいます。

 

何でもつい引き受けてしまうのです。

 

仕事ぶりが良い部下によく見られる傾向で、

周囲も仕事ができるから依頼してしまいます。

 

潰れそうになっているにも関わらず、

新たな仕事を引き受けてしまうのです。

 

結果として限界を迎えた時に潰れてしまいます。

 

潰れそうな部下の心境

もう潰れそうです…
助けてください…

 

この様に自ら訴えてくる部下は、

ごく少数だと考えてください。

 

ほとんどの部下は、

潰れそうな状況を隠そうとします。

 

自身の評価が下がるのではと考える部下もいれば、

「どうせ言っても無駄だ」と諦めている部下もいます。

 

あるいは会社には見切りをつけて、

水面下で転職活動をしている部下もいます。

 

いずれにせよ1つ確かなことは、

潰れそうな部下からのサインは、

ほとんど出ないと思った方が良いこと。

 

限界がきて休職する様な段階になって、

初めて訴えてくることもあるのです。

 

その意味で潰れそうな部下の存在には、

上司が気づいて働きかけることが重要です。

 

ちなみに潰れそうになるほど、

部下は心を閉ざしがちになります。

 

心閉ざしてしまった部下の心理背景については、

別の記事で詳しく解説しています。

 

上司の言動が原因で部下が潰れることもある

ここまで部下の原因を解説しましたが、

上司の言動が影響して部下が潰れてしまうこともあるのです。

 

たとえば異動や転職をした結果、

部下の状況が好転したならば、

上司である自分に原因があるかもしれないのです。

 

「もし自分に原因はあるとしたら何だろうか?」

 

この視点で現状を振り返ることは、

悩みを解決する上で必須だと言えます。

 

部下を潰してしまう上司は、

気づかぬうちに4つの言動を取っています。

 

どれか1つに当てはまることもあれば、

複数に該当することもあります。

 

仕事配分が偏りすぎている

特定の誰かに仕事配分が偏れば、

その分だけ部下は潰れそうになります。

 

「他にできる人がいないから」

 

「他の人には任せられないから」

 

この様に特定の人に負担を強いることもあるのです。

 

とりわけ優秀な部下であるほど、

つい仕事を配分したくなります。

 

ですが仕事配分が偏れば、

間違いなく潰れる部下は出てくるのです。

 

残業が当たり前の風土がある

もし残業が当たり前の風土があれば、

その分だけ潰れる部下は出てきます。

 

定時に終わらそうという空気が職場にないので、

日々のストレスが蓄積して潰れてしまうのです。

 

これは職場環境にも原因がありますし、

環境が変われば部下も潰れずに済みます。

 

ですが職場環境だけではなく、

上司が残業を許さない態度を示すことで、

部下の残業を減らすことはできます。

 

部下の話を聞こうとしない

潰れそうな部下の中でも少数ですが、

「何とかして欲しい」とSOSを出してきます。

 

せっかく部下がSOSを出しても、

話を聞こうとしなければ現状は変わりません。

 

上司が意見を押しつけたり、

軽く話をあしらってしまえば、

部下は苦しいままです。

 

特定の上司のもとで働くと、

潰れる部下が続出するケースもありますが、

これは間違いなく上司に原因があるのです。

 

部下に労いの言葉を十分かけていない

「いつもありがとう」

「本当によくやってくれてるよね」

 

労いの言葉をかけることで、

部下の気持ちも楽になります。

 

貢献している気持ちが増したり、

上司がちゃんと見てくれていることを実感します。

 

ですが労いの言葉を意識してかけないと、

部下は精神的な疲れを溜め込んでしまいます。

 

もしダメ出しをしようものなら、

一気に部下の心が折れてしまうかもしれません。

 

「どうして部下が変わらないのか?」

ここまで上司の原因を解説しましたが、

実は上司の中でも不満や怒りが生じている可能性があります。

 

何度気にかけても本音を言わない
心配しているのに自分で抱え込みすぎる
以前から同じことの繰り返しだ

 

上司が何とか部下をケアしようと思っても、

期待していた様な反応が得られない場合、

部下に対してネガティブな感情を持ってしまうことがあります。

 

次第に「どうして部下は変わらないのか?」と思い、

怒りや不満や諦めの気持ちが出てくるのです。

 

これは心理学で「学習性無力感」と呼ばれる現象で、

何度も繰り返し取り組んだのに、

期待した成果が得られず相手(部下)を変えられない時に起こる心のメカニズムです。

 

何度言っても部下が変わらないために、

「どうしてなんだ!」と上司の心の中で葛藤が生じ、

結果として部下の現状を放置してしまうこともあるのです。

 

潰れそうな部下とあなたの間で起こっていること

「どれだけ頑張っても部下を変えることができなかった」

 

この様にコントロールできないことをコントロールしようとすると、

無力感にとらわれ自信を失ってしまいます。

 

あるいは「もう無理だ」と諦め、

部下の状況を放置してしまうこともあります。

 

ただし冷静に考えてみると、

仕事でもプライベートでも、相手を変えることはそもそもできません。

 

「私の思い通りに動いて欲しい」と相手が思っていても、

自分が100%相手の思い通りに動くとは限りません。

 

自分にも相手にも心があり違う人間だからこそ、

相手を変えようとするのは無理なのです。

 

むしろ相手を変えようとするほど、

ストレスが強まり相手との関係も悪化します。

 

今回の場合で言えば、

部下を変えようとした結果、

上司の中でストレスが溜まっている状態です。

 

一方で部下が潰れそうな状況は変わりません。

 

それどころか上司や会社への不信感を抱き、

「結局は誰も信用できない」と思い込み、

お互いの関係が悪化してしまうこともあるのです。

 

上司は「部下は変えられない」と思い、

部下は上司や会社に絶望感を抱いていく。

そして本当に部下が潰れてしまう。

 

そんな状況ができあがってしまいます。

 

どうすれば現状を変えられるのか?

「では一体、どうすれば現状を変えられるのか?」

 

1つ大事なことは、

変えられるものと変えられないものを切り分けて考えることです。

 

どれだけ相手を変えようとしても、

相手のことを変えることはできません。

 

相手を思い通りに動かせていれば、

そもそも現時点で部下が潰れそうな状況は改善しているはずです。

 

「相手は変えられず、変えられるのは自分だけ」

 

この考え方は心理学では主流であり、

『嫌われる勇気』が流行した心理学者のアドラーも、

課題の介入という形でこの考え方を説明しています。

 

つまり部下が潰れそうな状況も、

自分自身が変わることで好転する可能性があるのです。

 

自分の在り方が変われば、

部下に見せる態度も変わります。

 

そんな自分の態度を見て、

部下の態度にも変化が生まれる可能性があるのです。

 

「では具体的にどうすれば、自分の在り方を変えられるのか?」

 

方法を解説します。

 

部下の仕事配分を見直す

部下が潰れそうな場合、

仕事配分の見直しは必須です。

 

仕事量が多く感じたり、

仕事の難易度が高く感じている時ほど、

心身ともに潰れそうになります。

 

また残業が常態化している様なら、

残業をさせない様なマネジメントも必要です。

 

残業をするほどメンタル的に苦しくなり、

次第に心が折れてしまいます。

 

これくらいできるでしょ?

 

上司の目線でこの様に感じることもありますが、

部下の立場では苦しんでいるかもしれません。

 

個別で話を聞く機会を作ったりと、

部下の仕事配分の見直しをしましょう。

 

ちなみに仕事配分の見直しを行うことに、

抵抗を示す部下も一部います。

 

確かに現状は潰れそうなものの、

仕事を取り上げられたことで自信をなくしてしまう部下もいるのです。

 

「業務のバランスを考慮して変えることにした」

「一時的に仕事は減るけど、別の仕事を時期に任せる見込みである」

 

必要に応じてこの様なフォローをしつつ、

部下のプライドを傷つけない配慮も大切です。

 

部下を具体的に褒める

先ほど紹介した方法ですが、

「仕事配分を簡単に変えられない」という声もあります。

 

自分にそこまでの権限がなかったり、

他の部下から反発があるかもしれません。

 

もちろん仕事配分の見直しについては、

現状を根本的に改善する上では必要です。

 

ただし現状で難しいと感じている場合は、

「部下を具体的に褒めること」を実行してください。

 

部下の仕事ぶりを労い、褒めるのです。

 

ポイントは「具体的に褒めること」

 

「いつも頑張ってるね」では、

何を褒めているのかわかりません。

 

仕事のスピードや正確さ、

影響力や提案力など、

何を褒めているのかを明確に伝えてください。

 

部下を具体的に褒めることで、

部下のモチベーションが高まったり、

精神的に追い込まれた状況から抜け出しやすくなります。

 

大事なのは「習慣化」

ここまでお伝えした方法を実践することで、

部下が潰れそうな状況は変えられます。

 

そして何より大事なのが「習慣化」

 

一度だけ実践しても状況は変わりません。

 

部下が潰れそうな状況は、

これまでの関わり方が習慣になっているからです。

 

今までの悪い習慣を改め、

部下が潰れない習慣に変えていく必要があります。

 

ただし多くの人が行動を習慣化できず悩んでいます。

 

先ほどお伝えした方法を実践しようと思っても、

気づけば以前までの習慣に戻ってしまうのです。

 

「人はその日に学んだことの7割を忘れる」

 

これは私たち人間の記憶のメカニズムで、

エビングハウスの忘却曲線で証明されています。

 

だからこそ忘れにくくするためにも、

毎日意識しながら実践する必要があります。

私は本当に望む成果を出し続けるための秘訣を、

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ちなみに潰れそうな部下の様に、

部下との関わりに悩む上司が絶対知っておくべき心理背景も以下でまとめています。

◯:部下との関わりに悩む上司が絶対知っておくべき心理背景

 

本日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました!






部下との相性診断

このコラムの執筆者

伊庭 和高

伊庭 和高(いば かずたか)

千葉県千葉市出身。
早稲田大学大学院卒。
教育理論や心理学を学ぶ中で100人にインタビューし、独自のメンタルトレーニング理論を確立。

卒業後は高校で世界史を教えるが、本当に伝えたいことはやはり心のケアであると気づき、2017年に株式会社マイルートプラスを起業し、8年で5,000人以上を指導。

2017年11月に株式会社マイルートプラスを設立。
役職や立場を問わず成果が出ることが評判を呼び、2020年4月に著書『ストレスフリー人間関係』を出版。
増刷しロングセラー中。
2023年10月に三笠書房・王様文庫より『声に出すだけでモヤモヤがすっきりする本〜たった5秒のメンタルケア〜』を出版。
『女性自身』(2023年9月19日号)にて、カラー8ページで特集されるなど、独自のメソッドに注目が集まっている。

「日本の元気は気持ちから!」をミッションにしている。
職場の人間関係や仕事の目標達成について、方法が体系立ててまとめられており、お客様の現状に合ったアプローチを取れることが強み。

また最近では企業研修を実施するなど、活動の幅を広げている。

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