能力不足で降格願いをするのはストップ!心理背景を徹底解説
こんにちは、ビジネスメンタルトレーナーの伊庭和高です。
こうした気持ちを抱くことは、
誰しも1度はあると思います。
特に管理職など責任ある立場になれば、
能力不足を痛感する場面も出てきます。
非常にストレスがたまっている状態と言えますし、
仕事に行きたくない気持ちが出て来ることもあります。
もちろん降格を希望するのも1つですが、
いざ降格できても悩みの本質は変わらないので、
降格後にもつらさを味わうでしょう。
そのため能力不足で降格を願い出るのは、
一度ストップした方が良いのです。
今回は一般の見地とは異なる視点で、
能力不足だと感じる心理背景を解説していきます。
能力不足だと感じる心理背景
「なぜ能力不足だと感じるのか?」
3つの心理背景を解説します。
どれか1つに当てはまることもあれば、
複数に該当することもあります。
仕事ができない人だと思われてつらい
部下から…
あるいは上司から…
仕事ができない人だと思われている様に感じるほど、
自信をなくしてしまいます。
部下や上司の言動を受けて感じることもあれば、
自分の中で思い込み苦しんでしまうこともあります。
部下や上司の目を気にするほど、
負のスパイラルにはまってしまうのです。
そもそも優秀なプレイヤーが、
優秀なマネージャーとは限りません。
責任ある役職になれば、
部下のマネジメントをする必要もありますし、
会議等で意見を求められる場面も増えます。
与えられた仕事をこなすだけでは物足りないのです。
意見が言えなかったり、
部下に上手く仕事を振れないなど、
役職者ならではの壁に直面した時にも能力不足を感じやすいのです。
部下より仕事ができないといけないと思い込む
「管理職だから部下より仕事ができないといけない」
この思い込みに苦しむ人も多いです。
たとえ立場のある役職になったとしても、
得意不得意はあるでしょう。
部下の方が得意な仕事もあるものの、
立場や建前を気にしてしまうと、
部下より劣っている部分があると自信を失ってしまいます。
自分の中で抱え込み、
マイナス思考でいっぱいになってしまうのです。
ちなみに部下との関わりで悩んでいる上司が、
絶対知っておくべき心理背景を以下の記事でまとめています。
◯:部下との関わりに悩む上司が絶対知っておくべき心理背景
責任が重くて苦しい
・目標達成のプレッシャー
・部署内の責任を一手に担うこと
・高い仕事意識の要求
今までと違った責任や重圧に押しつぶされてしまうこともあります。
これまでは自分がミスをしても、
最終的には管理職が責任を取ってくれました。
ですが自分が責任ある役職になれば、
自分のミスはもちろん、
部下のミスも尻拭いをすることになります。
責任の大きさに耐えきれなくなると同時に、
自身の能力不足を実感しやすくなるのです。
何より自分1人で頑張ろうとしても、
与えられた役割やタスクを見れば限度もあります。
部下を活かしきれずキャパオーバーになったり、
人の管理・対応に追われており、結果を出すための仕事に時間を割けないこともあります。
降格願いを出したくなる理由
「そもそもなぜ降格願いを出したくなるのか?」
もちろん背景には能力不足だと感じる心理があります。
そして降格願いを出すことで、
ストレスやプレッシャーから解放されようとする気持ちがあります。
それだけ精神的に追い込まれている状況を、
降格願いを出すことですべてを手放せると思っているのです。
いざ降格願いを出してしまえば、
モヤモヤ悩む状況からは抜け出せます。
能力不足に悩み続けることもなくなるので、
降格願いを出すメリットを感じているとも言えます。
ある意味、つらい状況をリセットしようと考えているのです。
降格願いを出すことのデメリット
ですが降格願いを出すことには、
当然ながらデメリットもあります。
まず周囲からの目が変わること。
この様に不安や失望を与えてしまうかもしれません。
もし降格できてもマイナスな目で見られたり、
必要以上に気を使われてしまうこともあるでしょう。
何よりたとえ降格できたとしても、
一瞬スッキリするだけです。
自分を責めたり罪悪感に襲われたりと、
ネガティブな気持ちを抱えながら働き続けてしまいます。
降格願いを出したとしても、
結局は苦しい状態が続いてしまうのです。
能力不足が理由の降格願いが認められないことも…
また会社によってはそもそも、
能力不足が理由の降格ができないケースもあります。
・能力は次第に身に付く
・能力不足で降格させていたら人材が足りなくなる
理由はさまざまですが、
余程のメンタル不調を発症していない限り、
降格願いを取り扱ってもらえないことがあります。
体調不良を理由に降格を認めてもらおうにも、
医師の診断書が必要なケースも結構あるので、
簡単に降格できないことがあるのです。
これでは降格できないばかりか、
「やる気があるのか?」と思われるかもしれず、
デメリットばかりです。
能力不足を感じやすい時期
実は能力不足だと感じやすい時期があります。
多くの場合、3つの時期のいずれかに、
能力不足だと感じてしまうのです。
昇進して1ヶ月の間
いざ役職を昇進して1ヶ月で、
現実に直面し潰れてしまう人は多いです。
周りの目もこれまでと変わったり、
今までと仕事の質が変わったりと、
環境の変化も合わさって一気にストレスが蓄積されます。
こうした気持ちが一気に襲ってくる時期とも言えます。
昇進して半年以内
最初の1ヶ月を乗り切れても、
じわじわと負荷が蓄積してしまい、
半年のタイミングで耐えきれなくなることも多いです。
会社にもよりますが、
年度中間の自己評価のタイミングでもあります。
いざ半年の働きぶりを振り返る中で、
「全然できてないじゃん…」と気落ちしやすいのです。
また能力不足を感じ続けていれば、
「評価できる項目がない」と自分を責めてしまうこともあります。
昇進して2年目
どんな仕事でも、最初の1年は流れに慣れるので手一杯です。
2年目に入れば流れもわかりますし、
「わからない」が通用しなくなります。
1年目にできなかった理由も通用しなくなり、
本格的に自信を喪失し潰れてしまうのです。
弱気な一面が出てきやすいのです。
能力不足を感じて苦しい時のサイン
能力不足だと感じるほど、
つらさや苦しさを感じてしまいます。
辛い気持ちが生まれている時は、
5つのサインの最低1つを発しているのです。
仕事のミスが増える
ケアレスミスが起きたり、
アポや会議の予定を忘れたり、
仕事のミスが増えている場合は要注意。
精神的に不調な時ほど、
ミスを起こしやすくなり、
集中力も途切れやすくなります。
今までの働きぶりからして、
考えられないミスをすることもあるのです。
この場合「辛い気持ちに襲われているのでは?」と疑うことが大切です。
自分でも気づかないうちに、
精神的にボロボロになってしまうこともあります。
元気がなくなった
「最近笑わなくなったね」
「めっきり喋らなくなったね」
この様に周囲から声をかけられた時は要注意。
間違いなく何かしら悩みを抱えています。
辛い気持ちが生まれるほど元気もなくなり、
仕事のモチベーションも失ってしまいます。
以前よりも元気がなくなった場合、
何かしら不調の要因を抱えているのです。
急な欠勤や遅刻早退が増える
体調不良で急きょ欠勤したり、
遅刻や早退が増えている場合も要注意。
体調ではなく、心理的な不調の可能性が高いです。
気持ちが持たなくなっていたり、
頑張っても仕事に意識が向かなくなっている可能性もあります。
週に1度の欠勤や遅刻早退が続いたり、
週に2日以上も発生している場合は、
仕事の辛さに耐えきれなくなっている可能性があります。
また欠勤や遅刻早退になっていなくても、
朝起きるのがつらくなった時は要注意。
こうした気持ちが出て来た時ほど、
辛い気持ちに心が支配されています。
報連相が遅い
報連相が遅くなるということは、
自分の中で抱え込んでいる状態とも言えます。
悩みやストレスを抱え込んでいると、
報連相が遅くなる現象が発生しやすくなります。
「失敗したらどうしよう…」
「上手くいかなかったらどうしよう…」
ネガティブな思考が充満しているので、
足取りが重たくなってしまうのです。
上司や部下に報連相が遅くなっている時は、
辛い気持ちで動けなくなっているかもしれません。
当たり障りない返事ばかりをする
「大丈夫です」
「問題ないです」
「まぁまぁ上手くやってます」
この様に当たり障りのない返事をしがちな時は、
辛い気持ちに支配されている可能性があります。
感情の起伏がなくなっていたり、
周囲との関わりを断とうとしている状態です。
もはや辛くてどうすることもできなくなり、
何の感情も動かなくなっているのです。
悩みは形を変えて繰り返される
能力不足を感じている時に、
頭の中に浮かびやすい言葉です。
役職からの降格を願い出たり、
思い切って転職すれば、
一時的には楽になるでしょう。
ですが悩みに正面から向き合わないと、
形を変えて似た様な悩みが繰り返されてしまうのです。
役職についたことで表面化された悩みは、
環境を変えてもついて回るのです。
つらい状況を瞬間的にリセットできても、
結局は似た様な悩みを抱いてしまいます。
また環境を変えたとしても、
一度失った自信は戻りません。
ショックや後悔を引きずったりと、
仕事に悪影響を及ぼしてしまうのです。
物理的な外部環境を変える前に、
自分自身と向き合う必要があるのです。
どうすれば現状を変えられるのか?
現状に正面から向き合うこと。
これこそ、悩みを根本解決するために必要なことです。
私はよく、すべての悩みの原因は自信のなさだとお伝えしています。
自信のなさに直面した時に、
あらゆる悩みが発生するのです。
自信のなさと向き合わずに、
環境だけを変えたとしても、
同じ悩みが繰り返されるだけです。
そして自信のなさと向き合い、
現状を変えるための方法を2つ紹介します。
2つの方法を繰り返し実践することで、
仕事の悩みを解決できる様になります。
自分の気持ちを声に出す
最初の方法が、自分の気持ちを声に出すこと。
「それだけですか?」と思われたかもしれませんが、
実は仕事で悩んでいる時ほど、
自分の気持ちを声に出していません。
声に出さず、頭の中で考えてしまうのです。
私たち人間の脳は頭の中で考えるほど、
ネガティブ思考が強まる特徴があります。
一説では1日に頭の中で考える事柄の9割が、
ネガティブな内容だと言われています。
能力不足で降格を考える時ほど、
頭の中でネガティブに考えがちです。
これでは憂うつな気持ちが強まるだけで、
良いことは何もありません。
どんな気持ちでも構いません。
頭に浮かんだ言葉をブツブツ吐き出してください。
声に出せば出すほど、
ネガティブな気持ちが消え去り、
気持ちを落ち着けることができます。
「どうしたい?」と自分に問いかける
自分の気持ちを声に出した後は、
「どうしたい?」と問いかけましょう。
「どうしたい?」の主語は自分自身。
自分を主語に問いかけるからこそ、
自分が望む行動を選択できる様になります。
仕事で能力不足を実感している人の多くが、
「どうしたい?」と問いかけておらず、
「どうすればいい?」と考えがちです。
「私はどうすればいいの?」という様に、
周りに答えを求め続けてしまうので、
いつまでも結論が出ず悩んでしまいます。
また自分以外の周りの目を気にして、
結論が出せないこともあります。
「したい」ではなく「するべき」「した方がいい」と考え、
他人軸で仕事をしてしまうのです。
これでは自分に自信も持てず、
能力不足を実感しやすくなります。
「どうしたい?」と自分を主語に問いかけるのは、
仕事の悩みを解決する上で不可欠です。
大事なのは習慣化です
先ほどお伝えした2つの方法は、
能力不足の現状を変える本質的な方法です。
一時的なストレス発散法ではなく、
能力不足に悩む状況をなくすための方法なので、
ぜひ実践してみてください。
そして大事なのが「習慣化」です。
能力不足に悩む様になったのは、
今までの習慣が影響しています。
2つの方法を習慣化させることで、
能力不足で降格願いを出そうと考える状況から抜け出せます。
私は自信のなさを克服し、
本当に望む成果を出し続けるための秘訣を、
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仕事に悩む現状を好転させるために、
こちらも登録し学んでみてください。
また著書の中でも仕事の悩みを解決する方法を解説しているので、
合わせてチェックしてみてください。
本日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
このコラムの執筆者
伊庭 和高(いば かずたか)
千葉県千葉市出身。
早稲田大学大学院卒。
教育理論や心理学を学ぶ中で100人にインタビューし、独自のメンタルトレーニング理論を確立。
卒業後は高校で世界史を教えるが、本当に伝えたいことはやはり心のケアであると気づき、2017年に株式会社マイルートプラスを起業し、8年で5,000人以上を指導。
2017年11月に株式会社マイルートプラスを設立。
役職や立場を問わず成果が出ることが評判を呼び、2020年4月に著書『ストレスフリー人間関係』を出版。
増刷しロングセラー中。
2023年10月に三笠書房・王様文庫より『声に出すだけでモヤモヤがすっきりする本〜たった5秒のメンタルケア〜』を出版。
『女性自身』(2023年9月19日号)にて、カラー8ページで特集されるなど、独自のメソッドに注目が集まっている。
「日本の元気は気持ちから!」をミッションにしている。
職場の人間関係や仕事の目標達成について、方法が体系立ててまとめられており、お客様の現状に合ったアプローチを取れることが強み。
また最近では企業研修を実施するなど、活動の幅を広げている。