退職ラッシュで組織が崩壊?原因と改善策を独自に解説
こんにちは、ビジネスメンタルトレーナーの伊庭和高です。
今回のテーマは退職です。
特に退職ラッシュが発生し、
頭を抱えている人は多いです。
幹部社員や期待をかけていた社員、
あるいは平社員が立て続けに退職すると、
組織が崩壊してしまうかもしれません。
また退職ラッシュが起きたことで、
メンタルが崩壊する経営者や上司の方もいるのです。
今回は退職ラッシュが起きる背景について、
独自の視点から解説します。
その上で今から何をすれば現状が好転するのか、
具体的にお伝えします。
退職ラッシュが起きる原因
退職ラッシュとひと言でまとめても、
実際は水面化で退職に向けた流れが発生していることがほとんどです。
退職ラッシュが起きるのは、
3つの理由があります。
もちろん次の目標を見つけたりと、
前向きな理由で退職する人もいますが、
今回はネガティブな理由について取り上げます。
どれか1つに該当することもあれば、
複数に当てはまることもあります。
会社や職場を見限った
「この会社にいても未来はない」
「この会社では成長できない」
「この職場にいては自分がダメになってしまう」
この様に会社や職場を見限ったことで、
退職を決断する人は意外といます。
周りの社員の働きぶりを見て、
あるいは会社の状況を見て、
見切りをつける社員がいるのです。
また会社の掲げるビジョンと、
自身のビジョンが合致しなくなることもあります。
入社当時は共感できていたものの、
次第にズレを感じる様になると退職を選ぶのです。
社長が尊敬できない
「すべての悩みの原因は人間関係である」
これは『嫌われる勇気』で有名な、
心理学者のアドラーの言葉です。
この言葉には私も共感していますが、
つまり仕事の悩みも人間関係が根本的な原因です。
もし人間関係に悩んでいれば、
どんな社員でも退職を選択するでしょう。
あるいは仕事ができるからこそ、
社長との関わりをシビアに見ています。
尊敬できない社長だったり、
ついていきたいと思えない社長であれば、
そこで働き続ける魅力を感じないのです。
社長の言動がワンマンだったり、
社長が頼りなさそうにしていると、
社員も愛想を尽かしてしまうのです。
普段から密接に関わっているからこそ、
社長の言動は社員に見られているのです。
また社長だけでなく、
役員や管理職など上司の言動を見て、
退職を決断することもあるでしょう。
自分に仕事が集中して限界に達した
仕事ができるからこそ、
仕事が集中する社員がいます。
あるいは業務分担がおかしいと、
特定の社員に仕事が集中します。
その結果、業務量が増えるほど心身ともに限界を迎えるのです。
たとえ給料に反映されたとしても、
メンタル的に限界が来てしまい、
退職を選択してしまうのです。
実際に退職すれば仕事が集中せず、
快適に働ける可能性もあるのです。
もう手遅れです
退職希望の社員を必死に引き留めようとしても、
手遅れであることが多いです。
退職の意思を固めたということは、
彼らの中で気持ちの整理がついたということ。
再検討する余地はなく、
覚悟を持って退職届を提出しているのです。
だからこそ大事なのは、
退職ラッシュを繰り返さないこと。
会社として課題に向き合えていないと、
一定周期での退職が繰り返されてしまいます。
残された社員にも悪影響が及ぶ
また退職ラッシュは職場にネガティブな影響を与えます。
立て続けに退職者が出る状況は、
職場に少なからず動揺を与えます。
「会社を見限ったのでは?」
「何か不満があったのでは?」
あることないこと想像をかき立ててしまいます。
「あの人が辞めたなら自分も…」
今まで不満を抱いていた人が、
立て続けに退職を申し出ることもあるのです。
つまり退職者が別の退職者を呼び、
さらなる退職ラッシュが生まれるかもしれません。
実際、退職者が出れば別の社員に仕事の負担がのしかかります。
特定社員への仕事量の多さにつながり、
退職の流れが止まらなくなってしまうのです。
社員の退職をどうすれば防げるのか?
もちろん退職者が一人も出ない職場はないです。
ただし退職ラッシュが発生したり、
ネガティブな理由での退職だと思われる場合は、
今すぐにでも対策が必要です。
・退職者に原因がある
・組織体制に原因がある
・社長(トップ)に原因がある
退職ラッシュの原因は、
大きく分けると3つです。
割合は状況によって異なるものの、
この3つが複合的に絡んでいることが多いのです。
「退職ラッシュの原因が、本人にあるとしたら何だろう?」
「退職ラッシュの原因が、組織体制にあるとしたら何だろう?」
「退職ラッシュの原因が、社長(自分自身)にあるとしたら何だろう?」
私がお客様から相談を受けた際は、
この3つの視点すべてを一緒に振り返ります。
どれか1つの視点だけで振り返ったり、
全く振り返らない視点があると、
問題はいつまでも解決しないのです。
3つの視点で振り返ることで、
客観的に現状を捉えることができます。
改善策1「どうしたい?」と問いかける
その上で今すぐ問いかけて欲しいのが、
「どうしたい?」という言葉。
「どうしたい?」の主語は自分自身。
著書の中でも詳しく解説していますが、
仕事で悩みに直面した時ほど、
自分を主語に問いかけるのを忘れています。
「私はどうすればいいのか?」という様に、
答えを周りに求め続けてしまいます。
これでは自分の中で結論を出せませんし
さらに問題が発生する可能性もあります。
「どんな会社にしたいですか?」
「どんな組織にしたいですか?」
「社員とどう接したいですか?」
「では具体的に、どうしたいですか?」
この様に語尾を「〜したい」で問いかけることを、
私はお客様に徹底して意識しています。
先ほど紹介した3つの視点を振り返ったあとは、
必ず「どうしたいですか?」と問いかけています。
「どうしたい?」と問いかけることで、
今後に取り組む行動が明確になり、
着実に現状を変えていけます。
改善策2:人間関係のストレスをなくす
先ほどもお伝えした様に、
仕事の悩みも突き詰めれば人間関係です。
著書『ストレスフリー人間関係』の中でもデータを用いて解説していますが、
本音の退職理由として最も多いのが人間関係なのです。
つまり人間関係のストレスをなくせば、
あるいはストレスを感じても自力で対処できる力を身につければ、
退職を未然に防ぐことができます。
・自分で自分の気持ちを声に出す
・自分と相手それぞれの原因を振り返る
・「どうしたい?」と問いかける
人間関係のストレスを手放す方法は、
著書やメンタルヘルスハンドブックでも解説してきました。
自分自身、そして社員がこの方法を実践し習慣化する必要があるのです。
改善策3:感謝の気持ちを伝える
感謝の気持ちを言われて嫌な気分になる人は、基本的にいません。
「いつもありがとう」でも良いのです。
普段から周りへ感謝の気持ちを伝える様に意識してください。
感謝の気持ちを忘れていたり、
感謝を伝えていないケースは意外と多いです。
また感謝の反対語は「当たり前」ですが、
当たり前だと思うほどダメ出しや指摘が増え、
結果的に社員のモチベーションも低下してしまいます。
口癖の様に感謝の言葉を伝えることは、
社員が居心地良く働くうえでも不可欠です。
大事なのは「習慣」です
ここまで紹介した方法を使えば、
現状を好転させることができます。
ですが大事なのは習慣化。
1日や2日実践しただけでは、
根本的な変化にはつながりません。
そもそも退職ラッシュが起きたのは、
今までの仕事の日々で積み重ねられたもの。
方法を繰り返し実践し習慣化することで、
現状が好転します。
三日坊主という言葉がありますが、
三日坊主では過去の自分に逆戻りしてしまいます。
私は現在、経営者の方を対象に90日間プログラムを実施しています。
退職ラッシュで課題が表面化した現状も、
自分が変わることで好転し始めます。
「現状を変えないといけないのはわかっている」
「でもどうすれば良いかわからない」
こうした相談は私の元に多く寄せられています。
また私は本当に望む成果を出し続けるための秘訣を、
無料メール講座や著書で解説しています。
仕事の悩みを解決し成果を出したい場合は、
こちらもあわせて学んでみてください。
本日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
このコラムの執筆者
伊庭 和高(いば かずたか)
千葉県千葉市出身。
早稲田大学大学院卒。
教育理論や心理学を学ぶ中で100人にインタビューし、独自のメンタルトレーニング理論を確立。
卒業後は高校で世界史を教えるが、本当に伝えたいことはやはり心のケアであると気づき、2017年に株式会社マイルートプラスを起業し、8年で5,000人以上を指導。
2017年11月に株式会社マイルートプラスを設立。
役職や立場を問わず成果が出ることが評判を呼び、2020年4月に著書『ストレスフリー人間関係』を出版。
増刷しロングセラー中。
2023年10月に三笠書房・王様文庫より『声に出すだけでモヤモヤがすっきりする本〜たった5秒のメンタルケア〜』を出版。
『女性自身』(2023年9月19日号)にて、カラー8ページで特集されるなど、独自のメソッドに注目が集まっている。
「日本の元気は気持ちから!」をミッションにしている。
職場の人間関係や仕事の目標達成について、方法が体系立ててまとめられており、お客様の現状に合ったアプローチを取れることが強み。
また最近では企業研修を実施するなど、活動の幅を広げている。