辞めて欲しくない社員が辞めるのはなぜ?心理背景と原因を解説
こんにちは、ビジネスメンタルトレーナーの伊庭和高です。
辞めてほしくない社員が辞めることで、
頭を抱えている経営者や管理職の方は多いです。
仕事のキーパーソンになっていたり、
将来の幹部候補だったりと、
期待をかけているわけです。
それなのに退職されてしまうと、
仕事にも悪影響が出てしまいますし、
メンタル的にもショックでしょう。
今回は独自の切り口から、
辞めて欲しくない社員が辞める理由を解説します。
辞めて欲しくない社員が辞めるのはなぜ?
辞めて欲しくない社員が辞めるのは、
3つの原因があります。
どれか1つに該当することもあれば、
複数に当てはまることもあるでしょう。
会社や職場を見限った
「この会社にいても未来はない」
「この会社では成長できない」
「この職場にいては自分がダメになってしまう」
この様に会社や職場を見限ったことで、
退職を決断する社員は意外といます。
パレートの法則は有名ですが、
退職を申し出た社員の多くは、
上位2割の部類に入るでしょう。
その他8割の社員の働きぶりを見て、
あるいはやる気のない他の社員を見て、
物足りなさを感じることがあるのです。
あるいは会社の掲げるビジョンと、
自身のビジョンが合致しなくなることもあります。
入社当時は共感できていたものの、
次第にズレを感じる様になると退職を選ぶのです。
また社長や管理職がワンマンだったりと、
働く人を見て退職することもあり得ます。
上司が尊敬できない
「すべての悩みの原因は人間関係である」
これは『嫌われる勇気』で有名な、
心理学者のアドラーの言葉です。
この言葉には私も共感していますが、
つまり仕事の悩みも人間関係が根本的な原因です。
もし人間関係に悩んでいれば、
どんな社員でも退職を選択し得るのです。
あるいは仕事ができるからこそ、
上司との関わりをシビアに見ています。
尊敬できない社長や管理職だったり、
ついていきたいと思えない上司であれば、
そこで働き続ける魅力を感じないのです。
普段から密接に関わっているからこそ、
上司の言動は部下に見られているのです。
自分に仕事が集中して限界に達した
辞めてほしくない社員には、
仕事が集中しがちです。
周囲からも頼られたり、
困難な案件も任されやすくなります。
もちろん仕事はできるのですが、
業務量が増えるほど心身ともに限界を迎えます。
たとえ給料に反映されたとしても、
メンタル的に限界が来てしまい、
退職を選択してしまうのです。
実際に退職すれば仕事が集中せず、
快適に働ける可能性もあるのです。
もう手遅れです
辞めてほしくない社員が辞めるという話を聞き、
必死に引き留めようとしても、
手遅れであることが多いです。
退職の意思を固めたということは、
彼らの中で気持ちの整理がついたということ。
再検討する余地はなく、
覚悟を持って退職届を提出しているのです。
だからこそ大事なのは、
社員の退職を繰り返さないこと。
会社として課題に向き合えていないと、
一定周期で社員の退職が繰り返されてしまいます。
これでは将来の会社を背負う社員がいなくなってしまいます。
残された社員にも悪影響が及ぶ
また社員の退職は、
職場にネガティブな影響を与えます。
仕事ができない社員の退職や、
取り立てて目立つことのない社員の退職なら、
周囲もさほど気に留めません。
ですが辞めて欲しくない社員の退職は、
職場に少なからず動揺を与えます。
「会社を見限ったのでは?」
「何か不満があったのでは?」
あることないこと想像をかき立ててしまいます。
「あの人が辞めたなら自分も…」
今まで不満を抱いていた人が、
立て続けに退職を申し出ることもあるのです。
そして社員の退職により、
別の社員に仕事の負担がのしかかります。
特定社員への仕事量の多さにつながり、
退職の流れが止まらなくなってしまうのです。
社員が辞める会社にありがちなこと
そして社員が辞める会社には、
共通点があります。
社員だけに原因を求めようとしても、
根本的な変化にはつながらないのです。
上司が頼りない
社員が辞める会社は、
上司が頼りないことが多いです。
部下の顔色を伺ったり、
決断力がなかったり、
堂々と話ができないのです。
頼りない姿は、部下にも伝わります。
「このトップで大丈夫かな?」
「この会社にいない方がいいのかな?」
こうした気持ちを抱き退職へと向かいます。
また社長や管理職が頼りないことで、
特定社員に仕事が集中してしまいます。
上司がワンマン
一方でワンマンな上司でも、
社員は退職してしまいます。
高圧的な言動を取ったり、
部下の意見を聞こうとしなかったり、
マウントを取るトップもいます。
トップダウンで物事を決め続けたり、
できない点ばかり指摘する社長がいては、
社員も嫌になってしまうのです。
「この人にはついていけない」
「理不尽だ」
この様に感じるほど、
退職を決断してしまうのです。
根本原因は自信のなさ
私は相談に来られる方に対して、
仕事の悩みの原因は自信のなさだとお伝えしています。
辞めて欲しくない社員が退職してしまうのも、
上司の自信のなさが根本原因です。
頼りなさを見せてしまうのも、
ワンマンに振る舞ってしまうのも、
自分の自信のなさが背景にあります。
常に自信なさげな人もいれば、
特定の場面で自信がなくなる人もいます。
いずれにせよ自信のなさと向き合わないと、
悩みは形を変えて繰り返されます。
辞めて欲しくない社員が退職する流れが、
この先も繰り返されてしまうのです。
多くの問題が発生していることも!
そして自信のなさが影響し、
社員の退職以外の問題が発生しているケースもあります。
たとえば急に売上がダウンしたり、
取引先との間でもめることもあります。
また仕事が順調でも、
プライベートで問題が発生することもあります。
夫婦関係で問題が起き、
別居や離婚につながる事例もあります。
自信のなさに向き合わなければ、
社員の退職だけでなく、
日常のさまざまな場面で問題が発生するのです。
時間が解決してくれることはなく、
自分自身が向き合う必要があります。
どうすれば現状を変えられるのか?
ここまでお伝えした通り、
辞めてほしくない社員が退職する根本原因は、
上司の自信のなさです。
自信のなさに向き合うことが、
現状を好転するポイントです。
そしてそのための方法が、
「どうしたいのか?」と問いかけること。
普段から「どうしたいのか?」と問いかけていきましょう。
「どうしたいのか?」の主語は自分自身。
自分を主語にして問いかけないと、
自信が持てなくなってしまいます。
部下の反応を気にしたり、
つい高圧的に振る舞うこともあります。
頼りなさを見せてしまったり、
ワンマンに振る舞ってしまうのです。
「した方がいい」
「しなければいけない」
「するべきだ」
「してあげる」
たとえばこれらの言葉は、
自分を主語にできていない時に浮かびます。
自分以外の誰かのことを気にしているのです。
「どうしたいのか?」という問いかけは、
現状を変えるために不可欠です。
大事なのは「習慣」です
ここまで紹介した方法を使えば、
現状を好転させることができます。
ですが大事なのは習慣化。
1日や2日実践しただけでは、
根本的な変化にはつながりません。
そもそも社員が退職したのは、
今までの仕事の日々で積み重ねられたもの。
自信のなさと向き合いながら、
方法を繰り返し実践することで、
現状が好転します。
三日坊主という言葉がありますが、
三日坊主では過去の自分に逆戻りしてしまいます。
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本日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
このコラムの執筆者
伊庭 和高(いば かずたか)
千葉県千葉市出身。
早稲田大学大学院卒。
教育理論や心理学を学ぶ中で100人にインタビューし、独自のメンタルトレーニング理論を確立。
卒業後は高校で世界史を教えるが、本当に伝えたいことはやはり心のケアであると気づき、2017年に株式会社マイルートプラスを起業し、8年で5,000人以上を指導。
2017年11月に株式会社マイルートプラスを設立。
役職や立場を問わず成果が出ることが評判を呼び、2020年4月に著書『ストレスフリー人間関係』を出版。
増刷しロングセラー中。
2023年10月に三笠書房・王様文庫より『声に出すだけでモヤモヤがすっきりする本〜たった5秒のメンタルケア〜』を出版。
『女性自身』(2023年9月19日号)にて、カラー8ページで特集されるなど、独自のメソッドに注目が集まっている。
「日本の元気は気持ちから!」をミッションにしている。
職場の人間関係や仕事の目標達成について、方法が体系立ててまとめられており、お客様の現状に合ったアプローチを取れることが強み。
また最近では企業研修を実施するなど、活動の幅を広げている。