部下を承認する前に、一番先に承認すべきは自分自身です
こんにちは、ビジネスメンタルトレーナーの伊庭和高です。
部下との関わり方については、
経営者や管理職や上司など、
多くの方が悩みを抱いています。
「部下が心を開いてくれない」
「こちらの意図を理解してくれない」
「仕事のモチベーションを上げて欲しい」
さまざまな課題がありますが、
部下との関わり方において特に大事なのが「承認」
部下を承認することは、
信頼関係構築の大前提なのです。
実際コーチングやカウンセリングなどでも、
承認することの大切さは語られています。
マネジメント等を学ぶ中で、
承認の大切さを知っている人も多いです。
しかし実際に部下を承認できているケースは、
想像以上に少ないのです。
「部下を承認しているのに上手くいかない!」
もしこの様に思ったことがあるならば、
実は根本的にやることがズレている可能性があります。
部下を承認する前にやること
実は部下を承認する前に、
自分自身を承認する必要があります。
上司である自分の仕事ぶりを承認したり、
生き方や人間性を承認するのです。
「あなたは自分を承認できていますか?」
「あなたは自分が好きですか?」
「あなたは理想の自分であると思えていますか?」
こうした問いかけに「No」と答えているなら、
部下を承認する前に自分自身を承認する必要があります。
部下への承認が表面的なものになる
「なぜ自分自身を承認する必要があるのか?」
実は自分を承認できていないと、
部下への承認が表面的なものになります。
どこかうわべだけの承認だったり、
心がこもっていない様に感じられるのです。
あるいは部下から見れば、
「この人に言われてもな…」と何の説得力もないかもしれません。
上司が自分を承認できていない姿は、
部下にも伝わってしまうのです。
自分自身を承認できない原因
もし自分を承認できていない場合、
理由は2つあります。
どちらか1つに当てはまることもあれば、
複数に該当することもあります。
周りの目を気にしている
「嫌われたら…」
「反発されたら…」
「評価が下がったら…」
この様に周りの目を気にするほど、
自分を承認できなくなります。
周りにどう思われるかを先に考え、
自分を承認するのにブレーキを踏んでしまうのです。
また周りを気にするほど、
自己評価と周囲の評価のギャップが生まれます。
これはインポスター症候群とも呼ばれますが、
良くも悪くも評価を気にして悩み続ることがあるのです。
完璧主義
実は仕事において完璧主義の人ほど、
自分自身の承認ができていません。
「まだ足りない」
「もっとやらなきゃ」
この様に完璧主義では、
できていない部分に意識が向くのです。
どれだけ仕事で成果を挙げても、
できていない点に意識が向きやすいので、
自分を認めることができません。
しかも完璧主義のままだと、
部下のこともネガティブに見やすくなります。
できていない点に気づき、
ダメ出しをすることも多いのです。
自分を承認できない根本原因
私はお客様に対して、
すべての悩みの原因は自信のなさだとお伝えしています。
自分を承認できないのも、
自信のなさが根本的な原因です。
もし自信を持って働けていれば、
上司である自分自身の働きぶりを承認できます。
周りの目を気にすることもなく、
自己肯定感高く働けているのです。
一方で自分に自信がないから、
自分を認めることができません。
周りと自分を比較したり、
完璧主義に陥ってしまうのです。
結果的に部下を承認することもできず、
信頼関係を築けなくなってしまうのです。
悩みは繰り返される
「異動すれば…」
「転職すれば…」
この様に環境を変えることで、
悩みが解決すると思っている人はいます。
確かに環境が変われば、
多少なりとも状況に変化は生まれます。
ですが先ほどもお伝えした様に、
自分を承認できないのは自信のなさが原因。
自分にも原因があるのに、
環境だけを変えたところで現状は変わらないのです。
自分を承認できないのを克服する2つの方法
ここからは具体的に、
自分を承認できないのを克服する方法をお伝えします。
2つの方法を繰り返し実践することで、
現状は好転し始めます。
そして自分を承認できるから、
部下も承認できる様になるのです。
自分の気持ちを声に出す
まず最初の方法が、
自分で自分の気持ちを声に出すことです。
自分を承認できない人は、
自分の気持ちを声に出していません。
声に出さず頭の中で考えがちなのです。
私たち人間の脳は頭の中で考えるほど、
ネガティブ思考が強まる習性があります。
一説では頭の中で考える事柄の、
90%がネガティブな内容だと言われています。
自分を承認できない時ほど、
頭の中で考えを巡らせる癖があります。
まずはどんな気持ちも、
自分で声に出して受け止めること。
これが現状を変える第一歩です。
「どうしたいのか?」と問いかける
そして自分の気持ちを声に出した後は、
「どうしたいのか?」と問いかけることです。
「どうしたいのか?」の主語は自分自身。
自分を承認できない人ほど、
自分を主語にできていません。
自分以外の誰かのことを先に考えてしまうのです。
「するべきだ」
「しなければいけない」
「した方がいい」
「して欲しい」
たとえば上記の言葉は、
自分以外の誰かを主語にしている状態です。
部下のことが気になったり、
自分の立場を気にしてしまうのです。
あるいは「どうしたいのか?」ではなく、
「どうしたらいいのか?」と問いかけています。
自分を主語にして問いかけることは、
自分を承認できない現状を変えるために不可欠です。
大事なのは「習慣化」です
ここまで紹介した2つの方法を使えば、
自分を承認できる様になります。
そして上司が自分を承認できているので、
部下のことも自然と承認できるのです。
ですが大事なのは習慣化。
1日や2日実践しただけでは、
根本的な変化にはつながりません。
そもそも自分を承認できないのは、
今までの仕事の日々で積み重ねられたもの。
自信のなさと向き合いながら、
2つの方法を繰り返し実践することで、
現状が好転します。
三日坊主という言葉がありますが、
三日坊主では自分を承認できない状態に逆戻りしてしまいます。
私は自信のなさを克服し、
本当に望む成果を出し続けるための秘訣を、
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本日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
このコラムの執筆者
伊庭 和高(いば かずたか)
千葉県千葉市出身。
早稲田大学大学院卒。
教育理論や心理学を学ぶ中で100人にインタビューし、独自のメンタルトレーニング理論を確立。
卒業後は高校で世界史を教えるが、本当に伝えたいことはやはり心のケアであると気づき、2017年に株式会社マイルートプラスを起業し、8年で5,000人以上を指導。
2017年11月に株式会社マイルートプラスを設立。
役職や立場を問わず成果が出ることが評判を呼び、2020年4月に著書『ストレスフリー人間関係』を出版。
増刷しロングセラー中。
2023年10月に三笠書房・王様文庫より『声に出すだけでモヤモヤがすっきりする本〜たった5秒のメンタルケア〜』を出版。
『女性自身』(2023年9月19日号)にて、カラー8ページで特集されるなど、独自のメソッドに注目が集まっている。
「日本の元気は気持ちから!」をミッションにしている。
職場の人間関係や仕事の目標達成について、方法が体系立ててまとめられており、お客様の現状に合ったアプローチを取れることが強み。
また最近では企業研修を実施するなど、活動の幅を広げている。