反抗的な部下をクビにしたい!その前に向き合う原因は5つ
こんにちは、ビジネスメンタルトレーナーの伊庭和高です。
今回のテーマは業種を問わず、
多くの方から相談を受ける内容です。
「反抗的な部下がいる」
「どうすれば良いか扱いに困っている」
管理職や経営者など、
多くの人が抱く悩みの1つです。
反抗的な部下の存在に、
ストレスを抱き続けることもあるでしょう。
他の部下にも示しがつかなくなったりと、
職場全体に悪影響が及ぶこともあります。
だからといって現状を放置すれば、
周りにもネガティブな影響が出てしまいます。
「いっそのことクビにしたい!」という声も聞こえます。
そこで今回は一般の見地とは異なる視点で、
反抗的な部下の心理背景を解説します。
反抗的な部下の特徴
「なぜ反抗的な態度を取るのか?」
大きく2つの原因に分けられます。
どちらか1つに当てはまることもあれば、
両方に該当することもあります。
部下がどんなことを考えているのかを、
詳しく解説していきます。
自分の方が上だと考えている
自分の方が仕事ができると思っていたり、
立場が上だと感じている部下は反抗的な態度を取ります。
上司と部下と関係性は明確なものの、
「自分の方が上だし…」と思っていれば、
態度や言動に現れてしまうのです。
もし普段から仕事ができる部下なら、
つい自分の実力を過信してしまうこともあります。
上司と部下で仕事内容が違えば、
どちらが優秀かを比較することは一概にできません。
ですが普段から仕事ができるからこそ、
つい自分の実力を過信してしまうこともあります。
また上司の方が仕事ができる場合にも、
嫉妬やプライドなど余計な感情が影響し反抗的な態度を取ることもあります。
構って欲しい
反抗的な態度を取る部下のことは、
上司も必ず気にするでしょう。
あるいは上司が気にしなくても、
周りの同僚は気にしてしまいます。
これこそが部下の狙いで、
自分に気を引いたり注目を集めるために、
反抗的な態度を取っているのです。
これは決して仕事だけに限らないのですが、
問題行動を取る人の背景には「構って欲しい」心理があることも。
問題行動を取れば周りは逆の意味で注目するので、
構って欲しい欲求を満たせるのです。
反抗的な態度をとり続けることで、
周りからの注目を集められると考えているのです。
反抗的な態度を取る根本原因
私はぬいぐるみ心理学において、
すべての悩みの原因は自信のなさであると解説しています。
反抗的な態度を取る原因も、
自分の自信のなさなのです。
自分の方が上だと考えたり、
構って欲しいと考えてしまうのも、
部下の自信のなさが背景にあるのです。
どんな人にも自信のなさはあります。
たとえ仕事ぶりが優秀な部下でも、
自信のなさはあるのです。
そしてここが重要なポイントなのですが
人間関係は自分と相手がいて成り立っています。
お互いが関わっていることなので、
どちらか片方にだけ原因があることはあり得ないのです。
部下に反抗的な態度を取られる状況についても、
部下と上司のそれぞれに原因があります。
この点を自覚せず部下にばかり原因を求めても、
根本的には何も解決しません。
すべての悩みの原因は自信のなさであり、
自分の自信のなさが原因で反抗的な態度を取られることもあるのです。
「自分には具体的にどんな自信のなさがあるのか?」
3つ紹介します。
部下にどう思われるかを気にしている
「これを言ったらどう思われるのか…」
「反発されたらどうしよう…」
「部下の方が仕事ができるのでは…」
この様に部下の反応を気にしていると、
自分を抑えて関わる様になります。
部下の目線に立てば、
何をしても許されると勘違いしてしまうこともあります。
結果として上司への関わり方が強めになり、
反抗的な言動や態度を取る様になるのです。
上司が意見を言わなかったり、
自分の気持ちを抑えて振る舞っていることで、
反抗的な部下も現れてしまうのです。
自分で自分を責めている
「何で仕事ができないんだ…」
「良い成果物が出せない…」
上司が自分を責めている様子は、
部下にも伝わっています。
「自分の方が仕事ができるのに…」と、
部下に勘違いをさせてしまうこともあるのです。
「自分が悪いのでは?」と考えがちな人ほど、
自信のなさが周囲にも伝わってしまうのです。
部下からの言葉もキツくなりがちになり、
反抗的な態度を取られる状況を作ってしまうのです。
高圧的に接している
部下にキツく当たったり…
必要以上に部下をいじったり…
部下を叱ることが増えたり…
高圧的に接してしまえば、
部下も反発します。
「反抗的な態度は許さない」という姿勢が、
かえって部下の反発を招いてしまうのです。
ここでポイントになるのは、
高圧的な言動を取る人の中には、
自分が高圧的な言動を取っている自覚がないこともあるのです。
「これが普通だ」
「全然高圧的ではない」
この様に思いながら振る舞うことで、
部下からの反発を招いてしまうのです。
高圧的かどうかは、自分が決めるのではなく相手が感じることなのです。
まずは自分が変わることで部下の態度も変わる
ここまで解説した様に、
部下が反抗的な理由は自分と部下それぞれにあります。
ここで大事なのが、
相手を変えることはできない点。
どれだけ相手を変えようとしても、
相手の行動は相手次第でコントロールできないのです。
むしろ相手を変えようとするほど、
今よりさらに反抗的になってしまいます。
ですが自分が変わることは、
自分の意思で今からできます。
反抗的なものの優秀な部下なので、
関係が改善されれば仕事にも好影響が及びます。
また当事者同士の関係だけでなく、
職場全体にもポジティブな空気が生まれます。
「具体的に何をどう変えれば良いのか?」
2つの方法を解説します。
感謝の気持ちを伝える
まず1つ目の方法が、
反抗的な部下に感謝の気持ちを伝えること。
実際に言葉にして、
感謝の気持ちを伝えてください。
関係が上手くいってない相手には、
感謝の気持ちを伝えるのを忘れがちです。
嫌な点や苦手な点など、
マイナスの事柄ばかりが浮かぶのです。
感謝の気持ちを伝えられて、
嫌な気分になる人はいません。
「いつもありがとう」
「この仕事をやってくれてありがとう」
どんな些細なことでも良いので、
毎日の様に頻繁に感謝を伝えてください。
最初は部下も無反応かもしれませんが、
続けるうちに関係は改善されます。
また感謝はお互いの幸福感を高めるという研究結果もあります。
つまり感謝の気持ちを伝えることで、
今よりも良い関係性を築けるのです。
「どうしたいのか?」と問いかける
そして2つ目の方法が、
「どうしたいのか?」と問いかけること。
上司に足りない視点が、
「どうしたいのか?」という問いかけです。
「どうしたいのか?」の主語は自分自身。
自分を主語にするからこそ、
部下の前でも自信を持って振る舞えます。
「した方がいい」
「するべきだ」
「しなければならない」
自信のなさに直面した時ほど、
この様な問いかけをしがちです。
これらは自分を主語にしておらず、
相手のことを考えています。
自分の気持ちを抑えたり、
相手に合わせて振る舞ってしまいます。
また反抗的な部下の前では、
つい「して欲しい」という言葉が出てきます。
「して欲しい」というのは、
相手をコントロールしようと思う時に出てくる言葉です。
結果的に部下も反発し、
さらに関係は悪化します。
「どうしたいのか?」という問いかけは、
反抗的な部下に悩む現状を変えるために必須なのです。
大事なのは「習慣化」です
ここまで紹介した2つの方法を使えば、
反抗的な部下との関わりも改善されます。
ですが大事なのは習慣化。
1日や2日実践しただけでは、
根本的な変化にはつながりません。
そもそも部下の扱いに悩む様になったのは、
今までの仕事の日々で積み重ねられたもの。
自信のなさと向き合いながら、
2つの方法を繰り返し実践することで、
現状が好転します。
三日坊主という言葉がありますが、
三日坊主では以前までの自分に逆戻りしてしまいます。
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本日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
このコラムの執筆者
伊庭 和高(いば かずたか)
千葉県千葉市出身。
早稲田大学大学院卒。
教育理論や心理学を学ぶ中で100人にインタビューし、独自のメンタルトレーニング理論を確立。
卒業後は高校で世界史を教えるが、本当に伝えたいことはやはり心のケアであると気づき、2017年に株式会社マイルートプラスを起業し、8年で5,000人以上を指導。
2017年11月に株式会社マイルートプラスを設立。
役職や立場を問わず成果が出ることが評判を呼び、2020年4月に著書『ストレスフリー人間関係』を出版。
増刷しロングセラー中。
2023年10月に三笠書房・王様文庫より『声に出すだけでモヤモヤがすっきりする本〜たった5秒のメンタルケア〜』を出版。
『女性自身』(2023年9月19日号)にて、カラー8ページで特集されるなど、独自のメソッドに注目が集まっている。
「日本の元気は気持ちから!」をミッションにしている。
職場の人間関係や仕事の目標達成について、方法が体系立ててまとめられており、お客様の現状に合ったアプローチを取れることが強み。
また最近では企業研修を実施するなど、活動の幅を広げている。